電気代と
ランニングコスト


電費計算する前の基礎知識


電気自動車を選ぶ人はランニングコストが低い事に注目して決めた、または、検討している方が多いのでないでしょうか?

電気自動車(BEV)はガソリン代は0円になりますが、電気代が確実に上がります。
電気代を知るためにいくつかの電気自動車に関する基礎知識を身に着けておきましょう。

電費 1kwhでどれぐらい走行できるか?
車種や使用状況にもよるがEV車の平均電費は6㎞と考えるのが現実的な数字
航続距離 1回の満タンの燃料補充(充電)で走行できる距離
WLTC航続距離 worldwide-harmonized light vehicles test cycle modeの略。
「市街地」「郊外」「高速道路」の各走行モードを平均的な使用時間分配で構成した国際規格で日本ではWLTCでの走行可能距離が義務化されています。

カタログ等に記載されている航続距離と覚えておくと分かりやすいです。
EPA航続距離 Environmental Protection Agencyの略です。
米国で販売される自動車のエンジン性能や燃費について標準的な試験方法を定めており、これをEPA試験と呼びます。

WLTCより基準が厳しく、EPAが実走行の電費の差が一番小さいと言われています。参考にするならEPAを参考にするのが良いでしょう。
バッテリー容量 1回の充電で補充できる最大の容量、単位はkWh(キロワットアワー)と表す
電費の計算方法 電費(km/kWh)=航続距離(km)÷ バッテリー容量(kWh)
電気料金単価 1時間あたりにかかる電気料金の目安のこと
毎月の電気料金明細に記載があり、契約プランや電力会社によって金額は違う

各車バッテリー容量と
1回の充電価格と電費


自宅で普通充電なのか、利用料を払って急速充電なのかによっても変わってきますが、今回は自宅での普通充電で比較していきたいと思います。
契約している電気プラン・電気料金単価・太陽光パネルの有無によっても変わってきますのであくまでも目安とお考え下さい。

また、電気料金単価は平均価格の35円で計算していきます。(2023年8月時点)



EVパークにある電気自動車3台で(国産BEV、海外BEV、国産PHV)比較してみましょう。

日産リーフ テスラモデル3 トヨタプリウスPHV
車種 日産リーフ【電気自動車専門店EVパーク】 テスラモデル3【電気自動車専門店EVパーク】 トヨタプリウスPHEV【電気自動車専門店EVパーク】
バッテリー容量 40kwh 75kwh 8.8kwh

1回の充電で
かかる金額

40(kwh)× 35(円)=1,400円

75(kwh)× 35(円)=2,625円

8.8(kwh)× 35(円)=308円

WLTC航続距離

322km

448km

60km ※EV走行距離

電費計算

322(km)÷40(kwh)=8.05km

448(㎞)÷75(kwh)=5.97km

60(㎞)÷8.8(kwh)=6.81km

※カタログ参考値より

  • 1回の充電でかかる金額‥‥バッテリー容量×電気料金単価(35円として仮定)
  • 電費計算‥‥航続距離(km)÷バッテリー容量(kwh)

電気自動車の
平均電費 6 km

計算結果を見ると日産リーフが電費8.05kmとなり、一番電費が良い結果となりました。しかし、実際には電気自動車の車種ごとにそこまで大差はなく電気自動車の電費は約6㎞が現実的な数字です。

※全ての電気自動車の電費6kmを保証するものではありません

電気自動車とガソリン車の
コスト比較

平均電費約6㎞ってことはむしろガソリン車の燃費より少ないからあまり性能は良くないの……?
と考えてしまいがちですが、単純に電費と燃費を比較しても正確な比較にはならないので走行距離を同じにして同じ走行距離あたりの消費エネルギーで比較していきます。

電気自動車

電費=1kwでどれぐらい走るのか?

電気自動車 電費=1kwでどれぐらい走るのか?

航続距離 ÷ バッテリー容量

平均電費 6㎞

ガソリン車

燃費=1リットルでどれぐらい走るのか?

ガソリン車  燃費=1リットルでどれぐらい走るのか?

走行距離 ÷ 給油量

平均燃費 18㎞

ガソリン車の平均燃費18㎞と同じ距離を電気自動車で走行すると3kw分消費します。

3kw分の電気料金を計算するには電気料金単価が必要になってきます。

3kw × 35(電気料金単価)=105円 となります。

電気料金単価は契約プランによっても変わってきますし、太陽光パネル有りの場合はこの差がもっと広がり、電費は変わりませんが電気自動車のコストがグッと低くなります。

電気自動車とガソリン車で18kmを走行するにあたり必要な燃料

年間走行距離でガソリン車と
電気自動車を比較する


年間走行距離は車を運転する頻度によって大きく変わってきます。
通勤・通学なのでほぼ毎日自動車を利用している人、通勤は電車で車は週末などにレジャー利用がメインの人に2パターンに分けられます。

❶通勤・通学などでほぼ毎日自動車を利用している人

❷通勤は主に電車で車は週末などにレジャー利用がメインの人



ここでは、10,000㎞を年間走行距離として比較していきましょう!

計算式は①年間走行距離(㎞)÷ 電費 or 燃費で年間走行距離を走行するのに必要な燃料(電気orガソリン)の数量を導き出します。


少し分かりにくいので端数を切り捨てて、② ①の答え ÷ 各燃料単価で年間走行距離あたりの燃料コストを計算します。

電気自動車

1,666kWh

(1万㎞÷6㎞/kWh)

【年間走行距離(㎞)÷ 電費 or 燃費】

1,666×35(電気料金単価)

=58,310円

ガソリン車

555L

(1万㎞÷18㎞/L)

【年間走行距離(㎞)÷ 電費 or 燃費】

555×167(ガソリン平均価格)

=92,685円

年間差額は
34,375

その他に「太陽光パネルの有無」「夜間は電気料金が安いタイプの契約プラン」「有料の急速充電月額サービスを利用するか」などによって金額が大きく変わってくる要因もあるのでご自宅の設備や契約プランなどと照らし合わせて計算するとよりリアルな金額を導き出すことが出来ます。

電気自動車の寿命は
” 8年 または 16万㎞ ”

電気自動車の寿命は ” 8年 または 16万㎞ ” と言われています。
実際に各自動車メーカーのバッテリー容量保証でも同じような期間、距離での保証となっています。(初年度登録から換算)
電気自動車に8年乗ったと仮定して、電気料金単価とガソリン代が現在の価格と仮定すると8年間でガソリン車と電気自動車のエネルギー代の差額は以下の図の通りです。

新車で購入するパターンや中古で購入するパターンなど様々なパターンがあると思うので一概に下記の図のと通りにはなりませんが長く乗れば乗るほど、ガソリン車と電気自動車の差が大きくなっていきます。

8年間のガソリン車と電気自動車の差額

現時点では電気自動車のほうが年間で考えるとお得になりますが、あくまでもこれは計算上の数字です。
ガソリン車も燃費の悪い車もあれば、HEVのように燃費が1リットル30㎞のような車もあり全部含めての平均燃費(18km)です。

ガソリン価格や電気料金単価も値段が上がってきているのでこの差額がもっと開くのか、逆転するのかは誰にもわかりません。
また、電気自動車のバッテリー寿命が ” 8年 ” なのに対してガソリン車はメンテナンスは必須ですが ” 10年以上・16万㎞以上 ” の走行が可能なのでその点でもどちらがお得なのかはそれぞれの考え方次第になります。

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