どれぐらい走行できる?
航続可能距離とは?
どれぐらい走行できるかは各自動車メーカーに義務付けられている「航続可能距離」で知ることが出来ます。
航続可能距離とは、搭載した燃料(電気)で走行できる距離のことを意味します。
航続可能距離は車種ごとによって違い、バッテリー容量が大きければ長くなります。
航続可能距離には主に下記の2つの測定方法があります。
WLTC航続可能距離
worldwide-harmonized light vehicles test cycle modeの略です。
「市街地」「郊外」「高速道路」の各走行モードを平均的な使用時間分配で構成した
国際規格です。
日本では2018年10月からWLTCでの走行可能距離の表示が義務化されています。
EPA航続可能距離
Environmental Protection Agencyの略です。
米国で販売される自動車のエンジン性能や燃費について標準的な試験方法を定めており、
これをEPA試験と呼びます。
WLTCより基準が厳しく、EPAが実走行との差が一番小さいと言われています。
電気自動車は使い勝手が悪い……?
「電気自動車は距離走れないから使い勝手が悪い」と思っている方は多いのでないでしょうか?
しかし、それはひと昔前の電気自動車のイメージであり現在の電気自動車の航続可能距離はバッテリー容量が大きくなったことでここ近年で飛躍的に伸びていて、電気自動車の普及にもかなり影響しています。
電気自動車の性能は確実に上がっています。
それでもガソリン車と比べると航続距離に不安と思う方がいらっしゃると思いますが、航続可能距離が短いから悪いと一概には言えません。
通勤、通学や買い物、お子さんの送り迎えと言った生活圏内の移動がメインで1日あたり約20~30㎞ぐらいであれば近距離メインの電気自動車(日産SAKURAや三菱ekクロスEV)が向いていると言えます。
反対に、近距離移動がメインなのに航続可能距離400~500㎞の電気自動車ではオーバースペックになるとも言えます。
現在販売されている主な電気自動車のバッテリー容量と航続距離を一覧にまとめました。(2024年1月現在)
車名 | 車種参考画像 | バッテリー容量/kwh | WLTC航続可能距離/km |
国内メーカー | |||
日産SAKURA | 20 | 180 | |
日産リーフ | 40 | 322 | |
日産リーフ e+ | 60 | 450 | |
日産アリア | 66 | 470 | |
三菱ekクロスEV | 20 | 180 | |
スバル SOLTELLA | 71.4 | 567 | |
ホンダe | 35.5 | 283 | |
マツダ MX-30 EV MODEL | 35.5 | 256 | |
トヨタ bZ4X 4WD | 71.4 | 461 | |
海外メーカー | |||
テスラ モデルY RDW | 非公開 | 507 | |
テスラ モデル3 RDW | 非公開 | 573 | |
ポルシェ タイカン | 79.2 | 463 | |
メルセデスベンツ EQC400 | 80 | 400 |
ガソリン車の航続距離の平均は軽自動車でも約500km以上なので電気自動車とガソリン車を比べると航続可能距離はガソリン車より優秀とは言えません。
しかし、1回の走行で500㎞を超えることはほとんどないと思います。
充電がなくなる前に帰宅して、自宅の電気自動車充電設備で寝てる間に満充電になります。
家に帰る度に満充電になる電気自動車と、ガソリンスタンドに行くまでは消費したガソリンは消費したままのガソリン車では日常使いと言う面では電気自動車が向いているとも言えます。
日産リーフ・テスラモデル3 実録航続可能距離
実際に日産リーフとテスラモデル3の2台で航続可能距離と実際の走行距離にどれぐらいの差があるのかを検証しました。
各車両の走行距離などの情報は以下の通りです。
車種名 | 日産リーフ | テスラモデル3 |
外観 | ||
バッテリー容量 | 40kw | 非公開 |
WLTC航続可能距離 | 322km | 573km |
EPA航続可能距離 | 243km | 437km |
実録航続可能距離
出発
日産リーフ
満充電時 航続可能距離249km
テスラモデル3
ほぼ満充電時 航続可能距離397km
中間地点
片道93km(中間)
日産リーフ
残り航続可能距離186km
消費した航続可能距離63km
テスラモデル3
残り航続可能距離307km
消費した航続可能距離90km
到着
往復186km
日産リーフ
残り航続可能距離52km
消費した航続可能距離175km
テスラモデル3
残り航続可能距離216km
消費した航続可能距離186km
結果
往復約190キロ、途中充電なしで比較してみました。
日産リーフはかなりギリギリだったので、本来なら途中で1回充電しますが乗り慣れてくれば、このぐらいの距離ならどれぐらい帰って来れるや途中で充電しないと厳しいなどの感覚がわかって来ると思います。ガソリン車でも給油ランプ付いてからこれぐらいは走れるが何となくわかってくる感覚に近いと思います。
テスラモデル3はかなり余裕をもって帰ってくる事が出来ました。
電気自動車は単なる移動手段ではない
走行距離だけで電気自動車とガソリン車と比較されたら、正直今の電気自動車はまだ敵いません。
しかし、電気自動車の航続可能距離が少ないからといって必ずしも不便とは限りません。毎日の通勤や日常的な移動には十分な航続可能距離を提供します。また、充電インフラの整備が進んでおり、充電スポットが増えることで長距離移動も可能になります。さらに、電気自動車の運転コストはガソリン車よりも低く、メンテナンス費用も削減できます。
電気自動車は単なる乗り物以上の価値を提供します。
お客様のライフスタイルやニーズに合わせてガソリン車と同等もしくはそれ以上の航続可能距離が必須なのかを考える必要があります。