EVとは?

EVには大きく4種類がある

電気自動車(EV)とはいっても電気だけで走る車のことだけではありません。


EVとは「Electric Vehicle」の略で、電気が少しでもエネルギーとして使われる自動車すべてのことを表します。

なので使用するエネルギーが電気100%でも電気50%:ガソリン50%でもEVとなります。


一般的に電気自動車は「電気だけを使って走る車」をイメージしますが、本来「EV」はもっと幅広い車に当てはまる言葉です。

種類は4種類あります。


EVは実は全部で4種類ある

同じ括りのEVですが、特徴や使用する燃料もそれぞれ違うので1つずつ詳しく解説していきます。

BEV(バッテリ式)電気自動車

BEVはガソリンを一切使わずに電気のみで走る自動車のことを言います。


一般的なイメージではEV=BEVです。
そのままの理解で大丈夫ですが、PHEVやHEVなども電気自動車に該当するため、これらと区別するために「BEV」と表記される場合があるという点を覚えておくと良いでしょう。


BEVの特徴はガソリンを使わないのでエンジンがありません。

エンジンの代わりにバッテリが搭載されていて、バッテリに充電した電気を使ってモータを動かして走行します。

ガソリンを使わないで走行が可能なので、二酸化炭素の排出がなく環境に優しい自動車としてここ数年で世界中に飛躍的に普及し始めています。
また、BEVは維持費の安さも大きなメリットです。他のEVやガソリン車に比べて航続可能距離が短く、こまめな充電が必要にはなりますが、同じ走行距離ではガソリン代より電気代の方が安いケースがほとんどです。


充電は自宅にEV充電用コンセントを設置して自宅で充電するか、公共施設の充電ステーションを利用して充電します。

ガソリンスタンドに行く必要がありません。

主なBEV車種

メーカー名 車種名 車種参考画像 備考
テスラ モデルY BEV(バッテリ式電気自動車)1 テスラモデルY テスラは全車種BEVのみ
日産 リーフ BEV(バッテリ式電気自動車)2 日産リーフ 航続距離200kmを超える
電気自動車として2010年に誕生
日産 SAKURA BEV(バッテリ式電気自動車)3 日産サクラ 短距離BEVの代表格
三菱 ekクロスev BEV(バッテリ式電気自動車)4 三菱ekクロスev 短距離BEVのナンバー2
SUBARU ソルテラ BEV(バッテリ式電気自動車)5 スバル ソルテラ トヨタとの共同開発
トヨタ bz4x BEV(バッテリ式電気自動車)6 トヨタbz4x トヨタ初の本格BEV

HEV ハイブリット自動車

HEVとは「Hybrid Electric Vehicle」の略です。HVと表記される場合がありますがHVとHEVは同じ意味です。


HEVはガソリンをエネルギーとするエンジンと、電気がエネルギーのモータの2つの動力を備えています。

特徴は外部から電力を供給はできず、ガソリンを使ってエンジンが動いている電気を利用するのでガソリンが必ず必要になります。

あくまでもメイン燃料はガソリンなので電気を利用して走れる距離は短いのも特徴です。

しかし、従来のガソリン車より燃費の効率が良くなり、CO2や排気ガスの量を抑えることが可能となります。

HEVは電力だけでも走行できる【ストロングハイブリッド】とモーターでエンジンをアシストする【マイルドハイブリッド】の2種類に大きく分けられます。

2022年の乗用車におけるハイブリッド車(HEV)の販売比率は49.0%となり、統計開始後はじめてガソリン車を上回りました。(日本自動車販売協会連合会の統計より)

主なHEV車種

メーカー名 車種名 車種参考画像 備考
ダイハツ ロッキー HEV(ハイブリッド自動車)1 ダイハツ ロッキー コンパクトSUV
日産 セレナ HEV(ハイブリッド自動車)2 日産セレナ 国内ミニバンモデルで人気の車種
スズキ アルト HEV(ハイブリッド自動車)3 スズキ アルト 40年の歴史を誇る軽自動車
トヨタ プリウス HEV(ハイブリッド自動車)4 トヨタ プリウス 世界初の量産型 ハイブリッド
トヨタ アルファード HEV(ハイブリッド自動車)5 トヨタ アルファード 国産高級ミニバン
ホンダ フリード HEV(ハイブリッド自動車)6 ホンダ フリード コンパクトミニバン人気ナンバーワン

PHEV プラグインハイブリッド自動車

PHEV は「Plug-in Hybrid Electric Vehicle」の略称です。

HEVと同じでエンジンとモータの2つの動力が備わっていますが、大きな違いは外部から電力の供給ができるという点です。

実際にコンセントにプラグをさして電気を供給することから「プラグインハイブリッド」と名づけられました。


さらにPHEVを詳しく解説すると、外部から電力を充電できるだけでなくモータだけで、電気のみで走行が可能です。

PHEVの特徴は走行用バッテリーの電気を使い切ってもガソリンエンジンで走行可能なので、航続距離を心配することはありません。
バッテリー容量は10~20kwhです。

万が一、充電が切れてもガソリンによるエンジン走行ができる能力は、電気自動車への不安を大きく払拭するものでしょう。

電気自動車がほしいけどガソリン走行が不可能になるのはちょっと困る……そんな方にぴったりなのはPHEVです。
世界初の量産PHEVは【BYD F3DM】が2008年に発表されました。

主なPHEV車種

メーカー名 車種名 車種参考画像 備考
三菱 アウトランダー PHEV(プラグインハイブリッド自動車)1 三菱 アウトランダー 2022年 最も売れたPHEV
トヨタ プリウスPHV PHEV(プラグインハイブリッド自動車)2 トヨタ プリウスPHV HEV、PHVともに不動の人気
トヨタ RAV4 PHEV(プラグインハイブリッド自動車)3 トヨタ RAV4 人気のRAV4のPHVモデル
ミニクーパー mini クロスオーバーPHEV PHEV(プラグインハイブリッド自動車)4 mini クロスオーバーPHEV 人気のミニクーパーPHEVモデル

FCEV 燃料電池自動車

FCEV は「Fuel Cell Electric Vehicle」の略称です。

他のEVとは違ってエネルギーはガソリンでもなく、電気でもなく、水素を燃料とするEVです。

ご紹介した4種類のなかで普及率は圧倒的に低く、他のEVより高額であることや燃料である水素ステーションの拡充がまだまだという課題があります。

水素を燃料とするEVで、水素と酸素で電気を発生させる「燃料電池」が搭載されています。ガソリンを一切使用せずモータで走行するため、生み出すのは電気と水のみ、二酸化炭素を出さない環境性能が一番の特徴です。

価格は700~800万円と高額です。


しかし、FCEVはガソリン車と同じぐらいの距離が走行可能で、1回の燃料補給にかかる時間は約3分とガソリン車のいいところと、他のEVのデメリットである充電時間をクリアしたまったく新しいEVになります。


日本の自動車メーカーが力をいれているEVでもあります。

主なFCV車種

メーカー名 車種名 車種参考画像 備考
トヨタ MIRAI FCV(燃料電池自動車)1 トヨタ MIRAI 世界初の量産型 FCV
トヨタ クラウン Z FCV(燃料電池自動車)2 トヨタ クラウンZ 16代目クラウン
ヒョンデ ネッソ FCV(燃料電池自動車)3 ヒョンデ ネッソ 韓国最大手自動車メーカー

各メーカーEV販売状況とEVの普及率

現状は、どのメーカーからでも4種類のEVを購入できるわけではありません。
2023年12月現在では各メーカーのEV販売状況は以下の通りで、HEVは全てのメーカーから販売されていますが、BEVとPHEVはメーカーによってバラつきがあります。
FCEVを含めた4種類 全てのEVを販売しているのはメーカーはトヨタ1社のみとなっています。

各メーカーEV販売状況
メーカー BEV HEV PHEV FCEV
スズキ × × ×
SUBARU × ×
ダイハツ × × ×
トヨタ
日産 × ×
ホンダ × ×
マツダ ×
三菱 × ×
輸入車 ×

また、燃料別新車販売台数(普通車)の割合をグラフで確認すると以下の通りとなっており、HEV(ハイブリッド車)の割合が全体の半分を超え、ガソリン車の割合を超えている一方でPHEV、BEVは全体的に見るとまだまだ少ない事がわかります。


2023年燃料別新車販売台数(普通車)の割合円グラフ1 2023年燃料別新車販売台数(普通車)の割合円グラフ2





詳しい内訳は、以下の表の通りとなっています。

2023年1月~12月燃料別メーカー別台数(乗用車)
ガソリン HEV PHEV ディーゼル BEV FCV その他 合計
ダイハツ 22,664 5,427 28,091
ホンダ 77,918 195,446 286 273,650
マツダ 50,376 27,061 1,711 50,380 19 129,547
三菱 4,147 4,414 19,041 17,215 44,817
日産 39,284 174,891 17,660 231,835
SUBARU 47,740 41,426 632 89,798
スズキ 52,508 64,775 117,283
トヨタ 551,731 861,366 24,079 18,659 2,546 420 99 1,458,900
輸入車 102,077 85,327 7,312 59,910 22,848 2 277,476
乗用車計 948,445 1,460,133 52,143 146,164 43,991 422 99 2,651,397

※その他はLPG車等
※軽自動車は含みません

1997年にトヨタが世界初となる量産型ハイブリッド車「プリウス」を発表してからHEV(ハイブリッド車)がガソリン車を超えて普及するまで約26年の月日がかかりました。


では、BEV(バッテリ式電気自動車)はどれぐらいの歴史があるのかというと、2010年に日産が世界初の量産型電気自動車「リーフ」を発表しました 。
まだ量産型として登場して約13年です。ハイブリッド車と同じぐらいの月日が普及までに掛かるとなるとようやく半分といったところでしょうか。

まだまだ長い道のりですが、早く普及すれば良いと言う訳ではありません。
急激にBEV(バッテリ式電気自動車)が普及した国では、充電設備が販売台数に追いついていないといった問題も発生しているようで、時間をかけて少しずつ普及していく事でインフラ設備の拡充も余裕を持って行う事が出来ます。

また、2014年にトヨタが世界初のFCEV(燃料電池自動車)を発表し、電気と水素2つの自動車がどうやって共存していくのかどうかはまだまだわかりません。
更にはガソリン車は今後本当になくなっていくのか、本当に2035年以降にはガソリン車の新車購入が出来なくなるのか……この点についても今後の世界の動向・日本政府の発表に注目が必要です。

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